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木曽谷の土蔵を伊那谷へ
土蔵の移築再生である。
昨年、伊那谷で働く若夫婦が親との同居を考え、実家の敷地に離れを増築したいとの相談があった。
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建物は民家風で、出来たら土蔵を使ってとの希望である。
以前土蔵の処分をして欲しいとの知人の相談を思いつき、
その土蔵を移築再生して使うという工事が進んでいる。
請け負ってくれた工務店は昔からの製材所で、
地元の木材や職人を使って、地元の仕事がほとんどという。
しかも建て主の弟さんもそこで働いており、まさに理想的な組み合わせである。

上手く設計は出来たものの、予算がオーバーしてかなり調整に時間がかかったが、
顔の広いお父さん仲間にも協力して貰い、何とか着工することが出来た。
おかげで新築と同じくらいの工事費である。
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手前の新築部と奥の移築部がつながる

規模は5人がコンパクトに暮らすために30坪程。土蔵はすべて使うが元の大きさが全体の半分しかなく、
不足部分は新築である。民家的「和」の外観希望であるが、それらが違和感なく繋がるよう設計した。
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ここは吹抜のあるリビングになる予定

上棟を先月終えて、今は造作が進んでいる。予想通りのいい出来である。
新築部分もさることながら、土蔵部分はさすがにいい。
何というか包容力がある。土蔵が喜んでいる。
大切な物を収納するだけの脇役から一躍、生活の主役であるリビングに変身である。
造るというプロセスは当然大変ではあるが、
見たこともない安心と豊かな空間が家族を包んでくれるはずである。

そんなことを想像すると、できあがりが楽しみだ。

川上
by kawakamisekkei | 2012-02-10 18:19 | 現場から
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